「Arduino NESSO N1って気になるけど、何から始めればいいの?」
「技適は取得されたけど、従来のArduinoと何が違うの?」——もし今そう感じていたら、この記事の内容は役に立つはずです。
実は“まずはLチカ(LED点滅)を動かすだけ”なら、想像よりずっと簡単。
たとえばArduino IDEをセットアップ → ボードマネージャーでNESSO N1を追加 → サンプルコードを書き込む → LEDが点滅。
この4ステップで、あなたの手元にあるNESSO N1が”動き出し”ます。
その「最短ルート」だけをギュッとまとめた内容を、YouTubeで詳しく解説しました。
小難しい理論はひとまず横に置いて、「動いた!」「LEDが光った!」という体験を最速で味わう——そこから理解が面白いほど追いついてきます。
🎬 動画の解説が良い方はこちらの動画をご覧ください。
*この記事では、動画の内容をブログ形式で再構成してお届けします。
「むずかしそう」を「できそう」に変えよう
2025年11月18日、ついに日本でもArduino NESSO N1が技適を取得し、スイッチサイエンスさんから販売が開始されました。
しかし、これまでのArduinoとは異なる点が多く、初心者にとっては「Lチカすらどこから始めたら良いか分からない!」という状況です。
- タッチディスプレイが搭載されている
- ライブラリのインストールが必要な機能がある
- 従来のArduinoとピン配置やセットアップ方法が異なる
だからこそ、同じところで止まっている人を、スッと前に押し出す道筋を作りたかった。
今回の記事は、そのための「近道」です。
必要なのは”全部を覚えること”ではなく、最初の一歩。
これが分かるだけで、「あれ、思ってたよりイケるかも」という感覚が生まれます。
そこから先は、カンタンに応用できるはず。
この記事で分かること
「Arduino NESSO N1を開封したけど、何から始めればいいか分からない…」その思い込みを解消します。
本記事では、以下の内容をステップバイステップで解説します。
- NESSO N1の基本的な特徴と注意点(ケーブル/電源/ポート)
- Arduino IDEの初期設定方法(ボード/ポート/ボードマネージャの導入)
- Lチカ(内蔵LED制御)の実装手順
- ユーザーボタンの活用方法
- タッチディスプレイの基本的な使い方(ライブラリインストール含む)
この時点で、すでに「あなたのNESSO N1が動く」体験が手に入ります。
そこから先は、センサー連携やIoTプロジェクトへと広げていけばOK。
IoTの世界が、ここから一気に開けます。
公式ドキュメントとリソース
いきなり実践に入る前に、公式のリソースを確認しておきましょう。
本記事の内容も、基本的にこれらの公式ドキュメントに沿って進めています:
- 製品ページ:Arduino NESSO N1公式発表
- 公式ドキュメント:NESSO N1ドキュメント
- ピン配置図(PDF):ピンアウト詳細
- データシート(PDF):技術仕様書
- サンプルコード集:ユーザーマニュアル
これらのドキュメントを読み込める方は、すでに十分自力で進められるかもしれません。
ただし、初めての方にとっては情報量が多すぎる可能性があるため、本記事では最短ルートで「動いた!」を体験できる手順に絞って解説します。
STEP 1: 接続の基本と注意点
まずは、NESSO N1をPCに接続する際の基本事項を確認しましょう。
必要なもの
- Arduino NESSO N1 本体
- データ通信対応のUSBケーブル(充電専用ケーブルはNG❌)
- USB-C ⇄ USB-C:エレコム USB Type C ケーブル
- USB-A ⇄ USB-C:バッファロー USB Type C ケーブル
- PC(Arduino IDEをインストール済み)
*オンラインのArduino cloud も使用できるとのことですが、現時点で私が試したところボードが認識されなかったため「ローカルのArduino IDE」を使用します。
重要な注意点
⚠️ ケーブル選びに注意
「認識しない」「書き込めない」というトラブルの多くは、充電専用ケーブルを使用していることが原因です。必ずデータ通信対応のケーブルを使用してください。
📡 アンテナの取り扱い
NESSO N1にはWi-Fi/Bluetoothアンテナが搭載されています。無理に引っ張ったり、鋭角に曲げたりしないよう注意しましょう。
🔋 電源ボタンの操作
本体には電源ボタンがあります。初回起動時や、動作が不安定な場合は電源のON/OFFを試してみてください。
STEP 2: Arduino IDEのセットアップ
続いて、Arduino IDEの初期設定を行います。
Arduino IDEのインストール
まだインストールしていない方は、公式サイトからダウンロードしてください。
ボードマネージャーの設定
① Arduino IDEを起動
② 「ツール」→「ボード」→「ボードマネージャー」を開く

③ 検索欄に「esp32」と入力し、「Espressif Systems」を探す

④ 該当するボードパッケージの「インストール」を押下
ボードとポートの選択
① 「ツール」→「ボード」から Arduino NESSO N1 を選択

② 「ツール」→「ポート」から NESSO N1が接続されているポートを選択
- Windowsの場合:
COM○○macOS/Linuxの場合:/dev/ttyUSB○または/dev/cu.usbserial-○○
認識しない場合のチェックポイント
- ✅ ケーブルがデータ通信対応か確認
- ✅ 別のUSBポートに接続してみる
- ✅ 別のArduinoを接続してみる
- ✅ 別のPCで試してみる
STEP 3: 初めてのLチカ(内蔵LED制御)
いよいよLチカに挑戦です!
Lチカとは、LED(Light)を「チカチカ」点滅させることで、Arduinoの学習では最初の登竜門のようなものです。
一般的なプログラミング言語の学習における「Hello World」に相当します。
基本的なLチカコード例
void setup() {
// Configure the built-in LED as an output
pinMode(LED_BUILTIN, OUTPUT);
}
void loop() {
// Blink the LED
digitalWrite(LED_BUILTIN, LOW); // Turn LED ON
delay(1000);
digitalWrite(LED_BUILTIN, HIGH); // Turn LED OFF
delay(1000);
}
書き込み手順
- コードをArduino IDEにコピー&ペースト
- 「→(検証)」ボタンでコンパイルエラーがないか確認
- 「→(書き込み)」ボタンでNESSO N1にアップロード
- 内蔵LEDが1秒間隔で点滅すれば成功!🎉
詳細なサンプルコードは、公式チュートリアルからも取得できます。
STEP 4: ユーザーボタンを使ってみよう
NESSO N1にはユーザーボタンが搭載されています。これを使って、ボタン入力に応じた動作を実装してみましょう。
サンプルコード例
void setup() {
Serial.begin(115200);
pinMode(KEY1, INPUT_PULLUP);
pinMode(KEY2, INPUT_PULLUP);
}
void loop() {
if (digitalRead(KEY1) == LOW) {
Serial.println("Button 1 pressed!");
delay(200); // Simple debounce
}
if (digitalRead(KEY2) == LOW) {
Serial.println("Button 2 pressed!");
delay(200); // Simple debounce
}
}
ポイント:
- それぞれキーを押下したとき、digitalRead の値はLOWになる
- シリアルモニタに「Button 1 pressed!」のように表示される
- 実際には、検知をトリガーとして処理を実行したり呼び出すことができる
STEP 5: タッチディスプレイを使ってみよう
NESSO N1の大きな特徴の一つが、搭載されているタッチディスプレイです。
これを使うには専用ライブラリ「M5GFX」のインストールが必要です。
ライブラリのインストール
① 「左メニュー」→「ライブラリマネージャ」

② 検索欄に「M5GFX」と入力

③ 対象ライブラリのインストールを押下

サンプルコード例
ここでは、ディスプレイ上に「Hello, Nesso N1!」と表示させてみましょう。
文字の大きさを変更するときは、display.setRotation(1) の値を大きくします。
#include <M5GFX.h>
M5GFX display; // Create a display instance
void setup() {
display.begin();
display.setRotation(1); // Set to landscape mode
// Set text properties
display.setTextDatum(MC_DATUM); // Middle-Center datum for text alignment
display.setTextColor(TFT_WHITE, TFT_BLACK); // White text, black background
display.setTextSize(2);
// Clear the screen and draw the string
display.fillScreen(TFT_BLACK);
display.drawString("Hello, Nesso N1!", display.width() / 2, display.height() / 2);
}
void loop() {
// Nothing to do in the loop
}
詳細な実装については、公式サンプルコードを参照してください。
ディスプレイ制御には、初期化やグラフィックス描画など、より詳細な知識が必要になるため、まずは公式のサンプルコードを動かしてみることをおすすめします。
「よくあるトラブル」を、一緒に超える
初めての電子工作では、さまざまなトラブルに遭遇することがあります。
よくある問題と対処法をまとめました:
- ボードが認識されない:データ通信対応のUSBケーブルを使用しているか確認
- 書き込みエラーが出る:正しいボードとポートが選択されているか確認
- LEDが点灯しない:コードが正しくアップロードされたか、電源ボタンがONになっているか確認
- コンパイルエラー:必要なライブラリがインストールされているか確認
つまずきポイントを先に知っておくと、対処しやすいです。
解決できない場合、コメントでお知らせください。
動画で詳しく学びたい方へ
本記事の内容は、YouTube動画でも詳しく解説しています。
実際の操作画面を見ながら学びたい方は、ぜひこちらもご覧ください。
動画では、以下のチャプター構成で解説しています:
- 00:04 はじめに
- 01:04 公式ドキュメントの紹介
- 03:15 接続の基本・アンテナの取り扱い・電源ボタンの操作・IDEについて
- 06:50 ボードのインストールと設定
- 09:58 Arduino NESSO N1 Lチカをやってみよう
- 11:42 ユーザボタンを使ってみよう
- 12:55 タッチディスプレイを使ってみよう(ライブラリのインストール)
- 15:57 まとめと次回予告
▶ Arduino NESSO N1 チュートリアル動画を見る
まとめと次のステップ
いかがだったでしょうか。
これでArduino NESSO N1の基本的な使い方をマスターしました🎉
本記事で学んだこと:
- NESSO N1の接続方法と注意点
- Arduino IDEの初期設定
- Lチカ(LED制御)の実装
- ユーザーボタンの基本的な使い方
- ライブラリのインストールとディスプレイ制御の基本
ここから先は、以下のような展開が可能です。
- センサーモジュールの接続(温度、湿度、距離など)
- モーター制御によるロボット製作
- Wi-Fi/Bluetooth通信によるIoTプロジェクト
- より複雑なディスプレイUIの実装
まずは「動いた!」という成功体験を大切に、一歩ずつ学習を進めていきましょう💡
さらに深く学びたい方へ
Arduinoやロボットプログラミングをより本格的に学びたい方には、以下のUdemy講座もおすすめです。
▼【Arduinoではじめる】ロボットプログラミング完全マスターコース|電子工作の基礎からコーディングまで全行程を詳細解説
https://www.udemy.com/course/arduino-robot-programming/?referralCode=2E58E193232F71B5E9A9
▼ ゼロからはじめる|最短で “動く”ウェブアプリケーションを公開|Python×VSCode×GitHub超速デプロイ講座
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よくある質問
Q. 完全初心者でもついていけますか?
はい。本記事は「まずは動かす」ことに焦点を当てています。公式ドキュメントのサンプルコードを使用し、ステップバイステップで進められます。
Q. 従来のArduinoとの違いは何ですか?
NESSO N1は、タッチディスプレイ搭載、Wi-Fi/Bluetooth内蔵など、より高機能なボードです。ただし、電圧は3.3Vのため取り扱いには注意が必要です。
Q. どのUSBケーブルを使えばいいですか?
データ通信対応のUSB Type-Cケーブルが必要です。充電専用ケーブルでは認識されないので注意してください。
Q. ボードが認識されない場合はどうすれば?
①ケーブルの確認 ②別のUSBポートを試す ③ドライバの再インストール ④別のArduinoがあれば試す、⑤別のPCで試す、の順で切り分けてください。
最後に
Arduino NESSO N1は、従来のArduinoよりも高機能で、初心者には少しハードルが高く感じるかもしれません。
でも実は、最初の一歩だけなら簡単です。
手順は、Arduino IDEをセットアップ → ボードマネージャーでNESSO N1を追加 → サンプルコードを書き込む → LEDが点滅。
たったこれだけ。
本格的な電子工作の前のステップとして、まずは動作の成功体験を取りに行きましょう。
動画でも詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
最後までご覧いただき、ありがとうございます。
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それでは、ステキな電子工作ライフを!

