Pythonデータ分析試験は独学で受かる?独学が向く人・つまずく人と今のレベル別ロードマップ
「データ分析試験って、独学でも受かりますか?スクールや講座は必要ですか?」
講師として15年、Pythonの試験対策に関わってきましたが、これは本当によくいただく質問です。
先に結論をお伝えすると、多くの人は独学で合格を狙えます。ただし「誰でも同じやり方で」ではありません。今のあなたのレベルと独学でつまずきやすいポイントを知っておくかどうかで、必要な時間がかなり変わります。
この記事では、独学が向いている人・苦労しやすい人の違いと、今のレベル別の学習ロードマップを解説します。途中に実力チェック問題も用意したので、ぜひ手を動かしながら読んでみてください😊
まず前提:データ分析試験はこういう試験です

- 問題数:40問/試験時間:60分
- 合格ライン:正答率70%
- 受験料:税込11,000円(学割5,500円)
- 合格率:約81.5%
- 主教材:「Pythonによるあたらしいデータ分析の教科書」(翔泳社)
通年CBT方式なので、準備ができたタイミングで受験日を選べます。最新の実施要項は協会公式サイト(pythonic-exam.com)をご確認ください。
合格率81.5%は「簡単な試験」という意味ではない
合格率だけを見ると「独学でも楽勝では?」と感じますよね。でも、この数字はそのまま受け取らないほうが安全です。
この試験を受ける人の多くは、すでにPythonを書いた経験があり、教材を1冊やり切ってから受験する人です。つまり81.5%は「準備をして臨んだ人たちの合格率」と考えるのが自然です。
逆に言えば、主教材を軸にきちんと準備すれば十分に届く試験だということでもあります。独学で合格できるかどうかは、才能よりも「準備の質」で決まります。
独学で合格しやすい人・苦労しやすい人
独学で合格しやすい人
- Pythonの基本文法(リスト・辞書・関数・for文)が迷わず書ける
- 教材を読むだけでなく、コードを実際に動かして確かめる習慣がある
- 学習時間を週単位で確保できる
苦労しやすい人
- Pythonの文法があいまいなまま、いきなりデータ分析の範囲に入ろうとしている
- 数学(統計・確率・線形代数)に強い苦手意識がある
- わからない所で止まったとき、質問できる相手がいない
苦労しやすい側に当てはまっても、独学が無理というわけではありません。つまずくポイントが事前にわかっていれば、対策して進められます。
独学でつまずきやすい3つのポイント
① NumPyの軸(axis)と形(shape)
受講生の方を見ていて一番多いのがこれです。axis=0 と axis=1 がどちら向きの計算なのかを、なんとなくで覚えている方がとても多いんです。試しに、次のコードの出力を実行せずに答えられますか?
import numpy as np
a = np.arange(6).reshape(2, 3)
print(a)
print(a.sum(axis=0)) # ① 列ごとの合計?行ごと?
print(a.mean(axis=1)) # ② 平均の向きは?
print(a[:, 1:]) # ③ スライスの結果は?
print(a * np.array([1, 10, 100])) # ④ ブロードキャスト

ポイントをまとめるとこんな感じです。
axis=0は「行の方向につぶす」=列ごとの集計(結果は[3 5 7])axis=1は「列の方向につぶす」=行ごとの集計(結果は[1. 4.])- ブロードキャストでは、形
(3,)の配列が各行に同じように掛けられる
1つでも迷ったら、「読んだけど手に残っていない」状態かもしれません。教材のコードは必ず自分で打ち込んで、shape を表示しながら確かめるのがおすすめです。
② pandasの「似ているけど違う」操作
pandasは、loc と iloc、groupby の戻り値の形など、見た目が似ていて結果が違う操作が多いライブラリです。
import pandas as pd
df = pd.DataFrame({
"店舗": ["A", "B", "A", "C", "B"],
"売上": [120, 80, 150, 60, 90],
})
print(df.groupby("店舗")["売上"].sum()) # ① 店舗別の合計
print(df.loc[df["売上"] >= 90, "店舗"].tolist()) # ② 条件抽出
print(df.iloc[1:3]) # ③ iloc の範囲は?

groupbyの結果は、店舗名がインデックスになったSeries- 条件抽出は
df.loc[条件, 列名]の形で、行と列を同時に指定できる iloc[1:3]は位置で指定し、終わりの3は含まない(ラベルで指定するlocはスライスの終わりを含むので要注意)
講座でも、この loc と iloc のスライスの違いで点を落とす方は毎回一定数いらっしゃいます。独学だと「なんとなく動いたからOK」で流してしまいやすいポイントです。
③ 数学の範囲で手が止まる
統計・確率・線形代数の基礎も出題範囲に含まれます。ここで数式を完全に理解しようとして何週間も止まってしまう方がいますが、まずは教材に出てくる用語の意味と計算のイメージをつかむことを優先しましょう。平均・分散・標準偏差などは、NumPyで実際に計算してみると理解が早まります。
今のレベル別・独学ロードマップ
レベル1:Pythonをほぼ書いたことがない
- まずPythonの基本文法を固める(基礎試験の範囲がちょうどよい目安です)
- 簡単なスクリプトを自分で書けるようになってから、主教材に進む
- 主教材を1周目は「コードを動かしながら通読」、2周目で「章末や自作問題で確認」
いきなりデータ分析から入ると、pandasのエラーなのかPythonの文法ミスなのか区別がつかず、挫折しやすくなります。遠回りに見えて、文法を先に固めるのが一番の近道です。
レベル2:基礎試験に合格した・基本文法は書ける
- 主教材を章ごとに進め、NumPy・pandas・Matplotlibの章は必ずコードを実行する
- 数学の章は「用語と計算の意味」を押さえることを優先し、深追いしすぎない
- 通読後は、本番と同じ時間配分(40問・60分)で問題演習をして、苦手分野を洗い出す
レベル3:実務でpandasを使っている
普段使っていない機能(scikit-learnの基本的な使い方や、数学・統計の用語など)に出題範囲の穴があることが多いです。主教材の目次を見て「説明できない項目」だけを重点的につぶしていく進め方が効率的です。
独学で限界を感じたときの選択肢
「一人だと、わからないところで何日も止まってしまう」「本番形式の問題で力試しがしたい」という場合は、対策教材を併用するのも1つの手です。
例えば、筆者が運営するPython3エンジニア試験ラボのデータ分析試験コースでは、本試験形式の模擬試験と質問サポートを用意しています(協会非公認の独自教材です)。もちろん、主教材と自作の演習だけで合格する方もたくさんいます。自分がどこで止まりやすいかを基準に、必要なものだけ選んでください。
まとめ
データ分析試験は、準備の質さえ押さえれば独学で十分に合格を狙える試験です。今回のポイントは3つです。
- 合格率81.5%は「準備した人の合格率」。主教材をやり切ることが前提
- NumPyの軸、pandasの
loc/iloc、数学の範囲が独学の3大つまずきポイント - 今のレベルに合わせて、文法固め → 教材を動かしながら通読 → 本番形式の演習の順で進める
最初はうまくいかなくて当然です。一緒に一歩ずつ進めていきましょう!
よくある質問
Q. 独学の場合、主教材以外の本は必要ですか?
A. 主教材「Pythonによるあたらしいデータ分析の教科書」を軸にするのが基本です。まずはこの1冊を、コードを動かしながらやり切ることを優先しましょう。
Q. 基礎試験に合格していないと受験できませんか?
A. 基礎試験に合格していなくても受験できます。ただしPythonの基本文法は前提知識として必要になるため、文法に不安がある方は先に固めておくのがおすすめです。受験資格などの詳細は協会公式サイトをご確認ください。
Q. 数学が苦手でも合格できますか?
A. 数学の範囲は出題の一部です。数式の証明まで理解する必要はなく、教材に出てくる用語の意味と計算のイメージをつかめれば、ほかの分野と合わせて合格ラインの70%を目指せます。
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